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アリツ・アドゥリス~全てのお手本であり、記憶に残るレジェンド~

 ビルバオは5月20日、FWアリツ・アドゥリス(39)が現役から退くことをクラブ公式サイトで発表した。アスレティクで(316試合118得点)、現役通算640試合221得点。リーガで長い間トップクラスパフォーマンスを見せてくれたアドゥリスに感謝したいと思う。

 

 2002年にアスレティクでデビューし、マジョルカバレンシアでプレーした。2012年にアスレティクに復帰したアドゥリスは常に前線のターゲットマンとして相手DFとバトルを繰り広げてきた。アスレティクのサポーターにとって、相手選手だけではなく時には審判にまで詰め寄り感情を露わにするその姿は、39歳という年齢も合わさり胸が熱くなる光景だったのではないだろうか。

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Photo by Juan Manuel Serrano Arce/Getty Images

 

 WOWOWやYUTUBEでアドゥリスがこのようなことを言っている。

 

 「フットボールは己が別れを告げる前に別れを告げてくるものだ。私が言い続けていたその瞬間がやってきた。先日医師から人口関節置換手術を勧められた。このままだと日常生活にも支障があるそうだ。残念ながら私の体はもう十分だと言っている。望んだ形でチームを助けることができなくなった。これがアスリートの人生。とてもシンプルだよ。いま私たちは悲惨で苦しい状況を生きている。だから僕のことは心配しないでほしい。夢にまで見た決勝のことは忘れるよ。こうして私の歩んできた道は終わった。最初から最後まで忘れられない素晴らしいものだった。心の底から感謝する」

 

 ここ数シーズンは怪我に苦しみ以前のような活躍をすることはできなかった。私のようなサポーターは選手が試合を行っているところしか見ることが出来ない。しかし責任感の強いアドゥリスだからこそ、トレーニングをしながら本来の姿を取り戻そうと見えないところで努力していたのだろう。その努力が結果として現れたのは2019-2020シーズン第1節バルセロナ戦のボレーシュートだ。

 

 スローインを受けたラウールガルシアがSBのカパにボールを落とし、カパからのクロスをアドゥリスがジャンピングボレーで決めた。アドゥリスのキャリアベストゴールとなるかもしれない。キャリア最後の得点がキャリアベストゴールとなる。これほど彼らしいことはあるだろうか。

 

 彼のやり残した最後の仕事は国王杯決勝でソシエダを破り、サポーターの下へ優勝杯を持ち帰ることだった。アドゥリスもこう言っている。「夢にまで見た決勝のことは忘れるよ」と。コロナウイルスが無ければ有終の美を飾れたかもしれない。不幸にも彼の夢は叶わなかった。しかし彼の背中を追いかけてきた1人の選手がいる。イニャキ・ウイリアムスだ。

 

イリアムスはアドゥリスが引退を発表した時このようなことを述べている。

 「私の父よ、あなたがいなくなって寂しいです。あなたの全てに感謝します。私はあなたを愛しています。」

 アスレティクで最高の時(スーペルコパ優勝)も最悪な時(残留争い)もアドゥリスの隣で学んだ。それは技術面だけでなくアスレティクへの忠誠心やゴールを奪うことへの執念などフットボールで最も大切な根幹の部分だと思う。

 コロナウイルスの影響で国王杯決勝がいつになるか分からない。しかし開催されるその時が来れば、ウイリアムスを初めムニアインやウナイシモンなどアドゥリスから夢を託された選手が大いに活躍してくれるだろう。

 その時ピッチにアドゥリスはいない。だが彼にムニアインが優勝トロフィーを掲げる光景を見てもらう。そんな未来が実現することを願っている。

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Photo by Juan Manuel Serrano Arce/Getty Images

 

 話しは変わるが、アドゥリスが引退するとアスレティックはチームの顔となるレサマ出身のベテラン選手が一人もいないことになる。私がアスレティックを見るようになって、どのようなシーズンもアスレティックのフィロソフィーを伝えるベテランの選手がいた。グルペギやイラオラ、スサエタといった選手だ。

 

 これからサンセットやビジャリブレ、そしてレサマにいる若手選手にアスレティックのフィロソフィーを伝えるのは現キャプテンのムニアインになるだろう。彼は27歳のリーガで最も若いキャプテンだ。しかし300試合以上公式戦に出場し、大きな怪我を何度か乗り越えている。まさに経験豊富な歴戦の強者だ。 

 若手選手だけではなく、サポーターにまでアスレティックの伝統や一体感そして最も大切な忠誠心と情熱を伝えるために、ムニアインはこれまで以上にピッチの内外で大きな役割を担うことを期待している。

 

 現在コロナウイルスの影響でサッカー界に大きな災いが降り注いでいる。選手・サポーターが試行錯誤しながらアスレティックに最高の未来が訪れることを願っている。

 

 

 

 

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