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記憶に残る監督たち~パコへメス~

 こんにちは。リーガが再開し、サッカーを観ることに喜びを感じている方も多いいのではないでしょうか。私も久々に試合のレビューを書こうか悩んでいるところです(アスレティックのレビュー書いても需要がない笑)

 

 いきなりですが私はスペインのチームといえば攻撃的で、技術の高さを活かしたサッカーをするというイメージがあります。もちろん全てのチームが同じような攻撃的なサッカーをしているはずがありません。ですがやはり攻撃的でおもしろいサッカーは観ている人々を魅了する力があると思います。今回はその攻撃的なサッカーの代名詞であるパコへメスに焦点を当ててみたいと思います。

 

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La Liga Semartbank footbal match between Rayo Vallecano and Ponferradina at Vallecas Stadium on October 25, 2019 in Madrid, Spain. Photo by Irina

 パコへメスの名はリーガ好きなら知っておられる方が多いと思います。私の彼へのイメージは「4点奪われても5点奪えばいい」・「攻撃的で、美しいフットボールを信奉している」です。みなさんも同じようなイメージを持っていると思います。

 

 そんなパコへメスですが、彼が率いたチームで最も有名なのは2014年~2016年に率いたラージョバジョカーノでしょう。ラージョはスペインの首都マドリードに本拠地を構えレアル・アトレティコ・ヘタフェに次ぐ規模であり、年間予算1000万ユーロほどの弱小クラブです。パコへメスはそのラージョを3シーズンに渡って率い、当時イニエスタやシャビが在籍していたバルセロナとの試合では、ポゼッション率がラージョの方が高いということも少なくありませんでした。

 

フォーメーション

 では簡単に当時のラージョバジョカーノのメンバーを紹介したいと思います。戦術的なことについては、覚えている限りで書いていこうと思います。

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ラージョ2013~2014

 まずフォーメーションですが、パコへメスは基本的に4バック。ただし場合によってはサウールをCBにおろして3バックにするなど、当時のリーガでは革新的な3バックを使用することもありました。中盤はかなり流動的に動くためあまり参考にしない方がよいと思います。攻撃時ディフェンスラインはセンターライン付近に、高い位置にポジショニングします。ボールを奪われると、コンパクトな体系による人口密度の高さを活かし全力で前からプレスをかけてボールを奪い返します。

 

 どんな選手がいた?

 次に選手にフォーカスしたいと思います。このチームの鍵となる人物は100%中盤のトラショーラスです。もちろん若きころのサウール(アトレティコ)やホナタンビエララスパルマスで名を馳せた)といった好選手もいますが、ラージョはトラショーラス抜きに語ることは出来ないと思います。

 

 トラショーラスはバルセロナで言えばシャビと同じ役割を担っていました。それも彼にはイニエスタブスケツのような盟友はおらず、ほぼ1人でラージョのポゼッションを支えたといっても過言ではないでしょう。広い視野と戦術理解度(個人・チームどちらの戦術も)の高さを活かしたプレーはまさに他を圧倒するほどだったと言えます。

 

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Spain - La Liga 123 _ 2017-2018 / "n( Rayo Vallecano de Madrid ) - "nRoberto Trashorras Gayoso

 そのトラショーラスからパスをもらったブエノがテクニックを活かし、前線でラリベイとパスを交換しながら相手の守備陣形を崩します。(ラリベイはフィジカル鬼・多分Jリーグでも活躍していました)

 

 両ウイングにはスピードタイプのラスパングラとリーガでも10本の指に入るほどのテクニックを持つホナタンビエラがいます。縦にも横にも揺さぶることが出来る、非常にバランスの整った選手陣容ではないでしょうか。

 

 トラショーラスが中心となり、サウールやホナタンビエラ・ブエノらが構築する攻撃は1度機能するともう止められません。

 

 ただパコへメスの戦術には大きく分けて2つの欠点がありました。①戦術の浸透に座間がかかる②ショートカウンターやプレスを交わされた時に高確率で失点につながる、というものです。

 

 まず①についてはラージョの予算規模的な問題があります。年間予算が少なく、活躍した選手は常に他のクラブに引き抜かれてしまいます。そうすると毎シーズン1からパコへメスの独特な戦術を選手たちに教えることになります。ラージョがシーズン序盤に降格圏を彷徨うのは恒例となっていました。

 

 そして②です。当時のラージョは、とにかく後方でパスをつないでいる時にミスから失点するという場面が多かったです。またプレスを交わされた時、ディフェンダーの裏にある広大なスペースを使われてしまいます。そのためシーズンを通して失点を繰り返し、2013~2014シーズンはリーガ12位ながら46得点80失点と歴史的な数字を残しています。80失点はなかなか。笑

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 最後に

 年間予算は少なく失点も多いのがパコへメスのラージョでしたが、それでも多くのサポーターを魅了した人物です。 事実2015~2016シーズンに降格争いをしながらも、サポーターからは続投を望む声が多かったようです。(途中で解任されています)

 

 それは彼がどんなに苦しく、どんなに周囲から批判されようとも自分の信念を決して曲げなかったからだと思います。その愚直なまでに一途な姿勢に選手たちが答えようとしたからこそ、あんなにもスペクタクルで、あんなにもリスクのあるフットボールが成立していたのだと思います。

  

 現在パコへメスはスペイン2部リーグで監督をしています。最近彼のチームを観戦する機会がありましたが、現在はかなり現実的なサッカーをしています。笑

何か寂しいものですね……

 

 

 

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